お酒の「ちゃんぽん」の意味や由来は?お酒の種類で酔い方が変わる?

お酒の「ちゃんぽん」の意味や由来は?お酒の種類で酔い方が変わる?

お酒を飲んでいると、ビールやハイボール、日本酒など種類を変えて飲むことは少なくありません。
しかしそれによって飲みすぎるといつもと違う酔い方をしたり、翌日に二日酔いになったりしますよね。思い返してみると「お酒のちゃんぽんが原因だったのかも」と考える方は多いのではないでしょうか。

そもそも、なぜ「ちゃんぽん」と呼ぶのか、なぜちゃんぽんをすると悪酔いをすると言われるのか、この記事ではお酒のちゃんぽんに関する疑問について解説します。

「お酒をちゃんぽんする」の由来

お酒のちゃんぽんは、長崎名物の「ちゃんぽん」に由来すると言われています。長崎の代表的な名物でもある「ちゃんぽん」の言葉には「混ぜる(ごちゃごちゃにする)」という意味です。

お酒でも種類を混ぜることを食べ物のちゃんぽんに例えるようになり、広まったのでしょう。
ただし、お酒のちゃんぽんはカクテルなど「数種類のお酒や飲み物を混ぜてつくるお酒」ではなく「日本酒、ワイン、ウイスキー、ビール、焼酎などお酒の種類を超えて飲むこと」を指します。

お酒をちゃんぽんすると酔いやすいと言われる理由

お酒をちゃんぽんすると悪い酔いする、酔いやすい、ということがよく言われますが、本当なのでしょうか。
しかし、お酒をちゃんぽんすることと「悪い酔いする」「酔いやすくなる」という事象については科学的根拠はありませんが、このように体感している人は数多くいます。これには、以下の2つのことが要因となっていると考えられます。

  • お酒を飲む量が増える
  • お酒を飲むペースが早くなる

お酒のちゃんぽんをしているということは、それだけ多くのお酒を飲んでいるということです。お酒は種類によってアルコール度数が変わりますが、ビールやチューハイは4〜5%程度、日本酒やワインは10〜15%、焼酎は20%または25%、さらにウイスキーは40%(ハイボールにしても7〜9%程度)と一気に度数が高くなります。
お酒の種類が変われば味わいも違うため、同じお酒を飲み続けるときよりも飲む量が増えてしまうことに注意が必要です。

同時に、飲むペースが早くなりやすいことにも気をつけましょう。
最初の1〜2杯はビールでその後は日本酒や焼酎に移る場合、ビールと同じようなペースでお酒を飲み続けると危険です。また、人と話しながら飲んでいる場合は会話が弾み、お酒のペースも上がってしまうでしょう。

ペースが早くなると、肝臓でアルコールを分解するスピードが追いつかず、血中のアルコール濃度が上昇してしまいます。これが悪酔いや二日酔いの要因となるため、お酒をちゃんぽんする場合でも飲む量とペースには十分注意しましょう。

お酒の種類によりアルコールが分解されるペースが違う

お酒のちゃんぽんで悪酔いした、二日酔いになったという人の話を聞くと(自分の体験談も含めて)、どうやら醸造酒+蒸留酒を飲んでいることが多いように感じます。
醸造酒は「原料を酵母によりアルコール発酵させて作られた酒」を指し、ビールや日本酒、ワイン、マッコリなどが分類されます。蒸留酒は、醸造酒を蒸留してアルコール度数を高くしたお酒です。蒸留酒は主にウイスキーや焼酎、ブランデーなどが挙げられます。

醸造酒と蒸留酒では、蒸留酒の方がアルコール度数が高いため、醸造酒と同じペースで飲んだために飲みすぎて悪酔いや二日酔いになることが考えられます。しかし、この2つのお酒は肝臓のアルコール分解酵素への影響が違うため、分解のペースが乱されてしまい悪酔いした感覚に陥る可能性があるかもしれません。

蒸留酒と醸造酒では、一般的な傾向として、焼酎やウイスキーの蒸留酒よりもワインや日本酒などの醸造酒の方が酔いやすいという人が多いようです。
これは、醸造酒には原料の成分(糖やアミノ酸などの栄養分)や雑味がより多く残ったまま製品化されており、それがアルコールとともに体内に入ることで分解酵素の働きを鈍くし、アルコールの分解が蒸留酒よりも遅くなるためです。

しかし、だからといって醸造酒よりも蒸留酒を飲めば良い、というわけでもありません。
好みや体質に合わせて飲みたいお酒を飲んでも問題ありませんが、お酒の量や飲むペースに十分に気をつけましょう。

酔いやすいお酒・ドリンクの組み合わせ

好きなお酒を好きなだけ飲みたいとはいえ、悪酔いや二日酔いは避けたいものです。先述したように異なる種類のお酒を飲むとアルコールの分解スピードも違うため、特にお酒に強くない人は以下の組み合わせは酔いやすいため注意が必要です。

以下の組み合わせで飲むときは、いつも以上にお水を飲んだりペースを落としたりすることを意識しましょう。

醸造酒×醸造酒(または混成酒)

混成酒は、醸造酒や蒸留酒に香料や果実、糖を加えたお酒で、梅酒やリキュールなどが挙げられます。
醸造酒や混成酒のように、複数種のアルコールや添加物など不純物が多いお酒を混ぜて飲むと、肝臓の負担が増えアルコールの分解速度が遅くなってしまう可能性があります。

そのため、「ビール、日本酒、梅酒」や「ビール、ワイン、日本酒」などの飲み併せは肝臓の負担を増やすことになるのです。
日本酒や梅酒はもともとアルコール度数が高いお酒でもあるため、自然と飲みすぎにもつながるため飲む量にも注意しましょう。

酔いにくいお酒の飲み方

お酒全般が好きな人は、一度の飲み会でいろいろなお酒を飲みたくなってしまいます。そんなときにはお酒に酔いにくい飲み方を取り入れてみていはいかがでしょうか。

チェイサーとしてお水をこまめに飲む、空腹状態での飲酒を避ける、ウコンエキスやタウリンを多く含むドリンクを飲んでおく、などが有名な対策です。
また、おつまみには肝臓の働きをサポートするタウリンを多く含む貝類・イカ・たこを選んだり、胃を保護してアルコールの吸収を防ぐオクラや山芋、ナメコなどのヌルヌル系を選んだりすると良いでしょう。

お酒を飲むときは量をあまり食べられない人は、ビタミンCやクエン酸が多く含み肝機能を高める効果があるグレープフルーツジュースを挟むことがおすすめです。

悪酔いや二日酔いの原因は「ちゃんぽん」ではなく飲む量とペース!

複数種類のお酒を飲む「ちゃんぽん」は悪酔いや二日酔いの原因と考えられがちですが、科学的な根拠はありません。
ちゃんぽんをすることで飲むペースが早くなり、アルコール摂取量が増えることが要因と言われています。楽しい飲み会はついついお酒をたくさん飲んでしまうかもしれませんが、適正飲酒を心掛け、なるべく酔いにくいおつまみを食べるようにすると良いでしょう。

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