ストロング系の缶チューハイはなぜ酔いやすい?危険・悪酔いすると言われる理由

お酒雑学

キリンが2008年に発売を開始した「キリン 氷結ストロング」に次いで2009年にはSUNTORYが「-196℃STORONG ZERO(ストロングゼロ)」を発売。それらを皮切りに、現在ではストロング系と呼ばれるさまざまな缶チューハイが販売されています。
ストロング系チューハイのアルコール度数は7〜9%と一般的な缶チューハイの倍近くあり、「悪酔いしやすい」「体に良くない」と言われることもしばしば。

では、なぜストロング系チューハイはこのように言われるのでしょうか。本当に体に良くないのでしょうか。
この記事ではストロング系チューハイについて詳しく解説します。

ストロング系チューハイが人気の理由


ストロング系チューハイはアルコール度数が7〜9%ほどの缶チューハイを指し、高アルコールであることが最大の特徴です。しかしその割に飲みやすく、レモンやグレープフルーツ、ライム、オレンジ、パイナップルなどのフルーツに加えラムネやプレーンなどさまざまな種類があります。
先述した氷結ストロングや-196℃STORONG ZEROをはじめ、キリンビターズ、キリン・ザ・ストロング、もぎたてまるごと搾りシリーズ、宝焼酎ハイボールシリーズなど各メーカーが展開しており、好きな銘柄や味を選べる選択肢の広さとおいしさが魅力の一つです。

そして、ストロング系チューハイが人気の最大の理由が「安く酔えてコスパが良いこと」
一般的な缶ビールのアルコール度数は4~5.5%、缶チューハイは3%〜5%です。これに対しストロング系チューハイは7%〜12%のものまであります。これは日本酒やワインや、焼酎のソーダ(水)割と同程度となることから、缶チューハイ1本分の値段で効率良く酔える、ということです。

また、これらのストロング系チューハイはコンビニやスーパー、ドラッグストアなど身近なお店で購入できることもあり、気軽に飲めることも支持される要因と言えるでしょう。

ストロング系チューハイは飲みすぎると危険!?


アルコール度数は高くてもチューハイだからと思うと、自然と飲むペースは早くなります。しかしストロング系チューハイは一般的な缶チューハイの倍近いアルコール度数があるため、いつものペースで飲んでいても、その時点で2倍のアルコールを摂取しているということです。
そして、ある調査では、ストロングゼロ(500ml)はテキーラショット(アルコール度数40%)の3.75杯分に相当するアルコール量が含まれていると指摘しています。

テキーラショット約4杯をチューハイを飲むいつものペースで飲んでしまうために、「ストロング系チューハイは酔いやすい」と言われるのです。通常よりも速いペースでこれだけのアルコールを摂取すれば、結果的に悪酔いしてしまうのも不思議ではありません。
また、チューハイゆえの飲みやすさもその要因の一つでしょう。ストロング系チューハイには人工甘味料が大量に加えられており、甘味料でよく使用されるサッカリンナトリウムは砂糖の300~400倍の甘みと言われています。

そして、ストロング系チューハイを常飲している人はアルコール依存症にも注意が必要です。炭酸の爽快感やフルーツの果汁感がアルコールのクセを抑え、飲みやすいために必要以上に飲んでしまう、瓶ではなく缶はフタがないため一度開けたら最後まで飲みきってしまうことから、アルコール依存症にもつながりやすいと言われています。

たった1本で1日のアルコール摂取量の目安を超えるストロング系チューハイ


厚生労働省が「節度ある適度な飲酒量」として示す指標では、成人男性の1日のアルコール摂取量の目安を20g程度としています。これは実際にはどれくらいの量なのでしょうか。

お酒の種類 アルコール度数 目安量
ビール 5% ロング缶1本(500ml)
日本酒 15% 1合(180ml)
焼酎 25% グラス半分(100ml)
ワイン 12% グラス2杯弱(200ml)
ウイスキー 40% ダブル1杯(60ml)

女性については、これらの量の1/2~2/3程度が適当と考えられています。一般的に助成は男性に比べてアルコールを分解する速度が遅く、体重に対し同じ量だけ飲酒したとしても臓器障害を起こしやすいためです。
この数字はあくまでも目安となるため、体質的にお酒に弱い人はさらに少ない量を目安に考えましょう。

ここで、ストロング系チューハイのアルコールの質量をg(グラム)に換算すると、アルコール度数が7%の350ml缶で約20g、8%なら約22g、9%なら約25gです。500ml缶の場合は、7%で約28g、8%なら約32g、9%なら約36gとなり、350ml缶1本で一日の摂取量の目安に達します。

さらに2本、3本と飲んでしまうとアルコールの過剰摂取となるためアルコール依存症になりやすくなるため注意しましょう。

アルコール摂取量が1日20gは妥当なのか


そもそも、厚生労働省が定めるアルコール摂取量の目安が少なすぎるのではないか、という疑問もあります。
私たちが友人や同僚とお酒を飲むときには、上の表で挙げた目安量は簡単に超えてしまうためです。

この数字の根拠について見てみましょう。

「成人男性におけるアルコール摂取量の目安は1日20g」という数字は、厚生労働省の「健康日本21」におけるアルコール対策として掲げている指標です。

健康日本21は、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を目指した国民的健康運動です。2000年〜2012年に行われた健康日本21《第1次》に次いで、2013年度から現在に至って第2次が行われています。

健康日本21《第2次》は、地域による健康格差の縮小や飲酒を含めた生活習慣の改善が目標とされています。そのうち、アルコールについて達成されるべき目標は以下の通りです。

  • 2010年の基準値に比べて2022年までに生活習慣病のリスクを高める量(純アルコール換算で男性40g/日以上、女性20g/日以上)を飲酒している者の割合を15%削減すること
  • 未成年者の飲酒と妊娠中の飲酒を2022年までにゼロにすること

この目標を達成するために定められたアルコール摂取量の1日の目安量が20gです。
私たちの生活ではあまり現実的ではない数字かもしれませんが、国民が健康な生活を送るうえで遵守した方が良い数字と考えると良いでしょう。

ストロング系チューハイは飲む量に注意!

ストロング系チューハイはアルコール度数が高い割に飲みやすく、気軽に飲めるため人気を集めています。
しかし、500ml缶1本でテキーラ3.7杯分に相当するアルコール量が含まれていることもあり、飲む量とペースに注意しましょう。

過剰にアルコールを摂取し続けるとアルコール依存症になるだけでなく、病気のリスクも高まります。

厚生労働省が定める「成人男性におけるアルコール摂取量の目安は1日20g」を念頭に置きながら、楽しく健康的にお酒と付き合っていきましょう。